日米経済対話 「円高進行に警戒」 - アメリカからの圧力はあるか?

写真はペンス米副大統領(写真左)と麻生副総理(写真右)。ワシントンで2月撮影(2017年 ロイター/Joshua Roberts)

地政学リスクの高まりのみならず、米国の為替政策の方向性を巡る思惑から、円高・ドル安が進んでいる。円高による輸出セクターの業績への悪影響を懸念し、株価も下落。金融市場における典型的なリスクオフのパターンだ。

ただ、日本経済はすでに完全雇用にあり、マクロ経済全体では、供給制約から付加価値の生産を大きく増やすことができない状況になっている。このため、輸入物価の下落を通じ家計の実質購買力向上につながる円高は、輸出セクターに不利に働くとしても、一国全体の社会厚生を考えれば、むしろ望ましい。円高を容認することは、足踏みする個人消費の喚起にもつながる。

もちろん、より重要なのは為替レートの安定であり、円高のスピードは考慮する必要がある。とはいえ、実質実効ベースで見れば、円相場は依然、1980年代前半の超円安水準にある。1ドル110円を割り込んだからと言って、大騒ぎをする必要はない。

株価下落は確かに問題だが、それ以前に株価が好調だったのは、円安で輸出企業の業績が実力以上にかさ上げされていたためである。超円安が修正されるのなら、株価の調整が起こるのも極めて自然だ。株価が実体経済を反映するのなら、円高メリットを受ける内需セクターの業績改善がけん引し、株価の方向性もいずれ変わる。そうならない懸念が拭えないのは、我々が重商主義的な政策を続け、円高メリットを享受できる社会づくりを怠ってきたためだ。

こうした中、4月18日から日米経済対話が始まり、麻生太郎副総理とペンス副大統領を中心に、両国の金融政策や為替政策などマクロ安定化政策も話し合われる。日銀のマイナス金利政策やイールドカーブ・コントロールが円安誘導を意図したものという批判を米国から受けるのではないか、日本側は昨年11月から強く警戒してきた。日本は、どのような説明を行うのだろう。日銀の異次元緩和は円安誘導を意図したものではなく、2%インフレ達成のため、あくまで国内のインフレ期待の醸成を狙ったものだと説明するのだろうか。
(出典 REUTERS ロイター

 

日米経済対話とドル円相場の行方

北朝鮮とシリア問題が発生しなければ、マーケットにとっての最大の警戒材料だったのが、4月18日より東京で開かれる日米経済対話だ。日本とアメリカの通商政策の歴史を振り返ると、常にアメリカが自国優先の経済政策を押し付けてきた。はたして、日本はアメリカに対して「Win-Win」となる経済政策をしっかりと主張出来るのだろうか?

3月31日、トランプ大統領は「貿易赤字削減を目指す」大統領令に署名した。アメリカ通商代表部は、不正な貿易慣行や為替の不均衡、貿易協定の影響など、貿易赤字の原因について国ごとに調べ、90日以内に大統領に報告する事になっている。

今回の日米経済対話の初会合は、政権交代後のアメリカ側の体制が整っていない事から踏み込んだ議論はしないと報道されているが、トランプ政権はアメリカの貿易赤字を強いている相手国の上位4つとして、中国とドイツ、メキシコ、そして日本を名指しで批判しており、日本にとっては為替問題が主軸になる事が最悪な展開と言える。

4月12日、トランプ大統領は「ドルは強すぎる」「低金利政策が好ましい」と発言しており、会合終了後に予定されているペンス副大統領の発言で為替に関する具体的な言及があった場合、ドル円相場は大きく上下に振れる危険性がある。

現在のドル円相場は、ブレグジットの安値からトランプラリーの高値の半値水準(108.80)で推移している。そしてアメリカ10年債利回りはレンジを下にブレイクした。このタイミングでトランプ政権側からドル円相場の下落要因になる発言が出れば、105円台も視野に入ってくる。

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