ルペンリスク 「イギリスとアメリカに続くサプライズは起きるのか?」 - フランス大統領選挙

4月13日、調査会社オピニオンウェイが公表したフランス大統領選に関する最新の世論調査によると、決選投票では、マクロン氏対ルペン氏の場合、63%対37%でマクロン氏勝利、フィヨン氏対ルペン氏の場合、59%対41%でフィヨン氏勝利となる見込み。写真は候補者らの選挙ポスター。5日撮影(2017年 ロイター/Charles Platiau/File Photo)
(出典 REUTERS ロイター

フランス大統領選は23日の第1回投票を控え、極左で増税路線のメランション氏が世論調査で追い上げを見せているが、投資家らが今もより大きなリスクとみなしているのは極右候補のルペン氏だ。

メランション氏は最上位層の所得税率を90%に引き上げることを掲げ、欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)にも前向きな考えを示しており、平時なら支持が集まりにくい候補。

先月には15%以下に低迷していた同氏の支持率だが、最新の調査では20%とルペン氏に迫っており、5月7日の決選投票に向け、4候補の接戦となっている。

これを受けて市場のボラティリティは高まり、1週間物のユーロ/ドルの予想変動率(インプライドボラティリティ)は今週、1999年のユーロ導入以来最大の上昇となる見込み。

右派のフィヨン氏や中道系のマクロン氏と比べると、メランション氏は孤立主義者だ。EU内の立場を巡る再交渉が不首尾に終われば、離脱の是非を問う国民投票実施を公約としているほか、北大西洋条約機構(NATO)や国際通貨基金(IMF)からの脱退、国際的な自由通商協定の拒否などを訴える。

こうした主張は、欧州単一市場や単一通貨が揺るぎないものと信頼する投資家にとっては高リスクだが、それでもルペン氏ほどリスクは大きくない。極右政党・国民戦線(FN)を率いる同氏は、EUだけではなくユーロからも離脱する「フレグジット=Frexit」を選挙戦で訴えている。

ルペン氏はEUとの協議の余地を残しているが、ユーロや移動の自由、予算上の取り決め、広範囲のEU法を6カ月以内に廃止し、EUをより緩やかな共同体にするという他の加盟国が受け入れがたい条件を掲げている。

こうした要求から、市場はルペン氏がEUに対し、メランション氏より激しいイデオロギー上の敵対心を抱いているとみている。

ベレンバーグの欧州エコノミスト、フロリアン・ヘンセ氏は「EUやユーロ圏離脱はメランション氏にとって『プランB』だが、ルペン氏には事実上『プランA』だ」とし、同氏のリスクが依然最も高いと懸念を示した。

<ボルケーノリスク>

ヘンセ氏は、ルペン氏やメランション氏が大統領に選ばれる確率はわずか10%と予想。たとえ選ばれたとしても、議会の多数を確保して公約を推進していくのは難しい。決選投票で対決する場合、中道系独立候補のマクロン氏や保守系のフィヨン氏はルペン氏に圧勝するとみられている。

モルガン・スタンレーのアナリストらは、メランション氏が当選する見込みはなお低く、ルペン氏の確率が約15%であるのに対し、メランション氏は約5%としている。

これに対しシティのストラテジストらは、第1回投票がかなりの接戦で予想がつかず、決選投票でルペン氏とメランション氏が相対する「悪夢」のシナリオが浮上し、市場に「ボルケーノ(火山)」リスクが広がっていると考えている。

同社は、決選投票でルペン氏かメランション氏が勝利した場合、フランスをはじめ欧州株は6月末までに最大10%下落する恐れがあると予想。一方、マクロン氏かフィヨン氏の勝利なら、年末までに最大20%上昇する可能性もあるという。

ソシエテ・ジェネラルの通貨ストラテジストは、決選投票が非主流派2人の対決になるというリスクは「やや小さくなっている」と指摘。その理由として、世論調査でのメランション氏の支持率が20%を超えなかったこと挙げた。

ただ、ノムラのアナリストによると、ルペン氏かメランション氏が決選投票に進む可能性は約40%で、昨年の米大統領選や英国民投票前にトランプ氏勝利やEU離脱決定が予想された確率より高くなっているという。

同社は「中核メンバーが離脱すれば、ユーロ圏崩壊の可能性は高まる。そうなれば、世界の金融市場に予期しない大きな影響を及ぼすことになる。ルペン氏が当選した場合、ブレグジット決定後のような上昇相場が起きる可能性はかなり低いだろう」との見方を示している。
(出典 REUTERS ロイター

 

大統領選挙を前にパリで銃撃事件が発生

フランス・パリ中心部、シャンゼリゼ通りで4月20日、凱旋門のすぐ手前に車で乗りつけた男が警察車両を銃撃した。この事件で警察官1人が死亡、ほかの警察官2人がケガをし、犯人も警察官に射殺された事をフランスの内務省が明らかにした。

フランス・オランド大統領は「捜査により、テロリストによる行為であると確信している」との見方を示し、21日朝に国防会議を招集したことを明らかにした。

フランスでは4月23日に大統領選の第1回投票が行われるが、2015年に起きたパリ同時テロなどを受けて治安や外国移民問題が大きな争点となっており、その中で起きた今回のパリ銃撃事件を受けて、テロの脅威と移民排斥を訴えてきた極右政党・国民戦線のルペン党首の躍進に繋がる可能性もある。

 

世界中の投資家が警戒する「ルペンリスク」

2日後に投票が迫ったフランスの大統領選挙、トップを争う極右政党・国民戦線のルペン党首はEUからの離脱を訴えているが、この1か月で急速に支持を伸ばしてきた急進左派のメランション氏も、EUとの関係の見直しを訴えている。

本来なら極右と急進左派は真逆の立場であるが、ルペン氏とメランション氏の両方が「EU離脱」を訴えている様子は、2016年のアメリカの大統領選挙で、真逆の立場のトランプ大統領とサンダース氏が共に「反TPP」を訴えていた選挙戦を思い起こされる。

もし、ルペン氏とメランション氏の2人が決選投票に進む事になれば、フランスに反EUを訴える大統領が誕生する事になり、EUは崩壊の危機を迎える危険性がある。

2016年、6月のイギリスのEU離脱と11月のアメリカの大統領選挙など、想定外の結果となる政治イベントが立て続けに生じており、サプライズの発生によって相場が乱高下する事を、世界中の投資家が警戒している。

第1回投票でのルペン氏勝利は、ある程度、現実味を帯びているとの見方もあり、もしルペン氏が1位になったとしても、僅差であれば第2回投票での敗退をマーケットは織り込んで、相場へのネガティブインパクトは限定的との意見もある。

しかし、大勝した場合はかなり大きなリスク要因となって、円買いユーロ売りの方向に振れる可能性がある。

仮にルペン氏が大統領になったとしても、EU離脱の憲法改正は困難と思われ、フランスのEU離脱は実現しないとの声も聞かれるが、フランスで「ルペン大統領」が誕生した瞬間に発生する大きな「リスク回避」のうねりが、世界中のマーケットに押し寄せてくるだろう。


(出典  Investing.com ファイナンス 金融ニュース

ルペン大統領誕生の可能性は決選投票当日まで否定できず、ルペン氏に追い風が吹くような憶測報道が出れば、ユーロは瞬間的に暴落することもあり得る。FXで投資をされている方は、「ルペンリスク」に備えたポジション管理と資金管理に留意し、レバレッジの掛け過ぎには気をつけて頂きたい。

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