グローバルと格差社会 = 個人投資家の力が試される激動の時代が到来

2000年以降に社会人になった「ミレニアル世代」と、ベビーブーム世代との経済格差が先進各国で拡大している。写真はパリで2013年8月撮影(2016年 ロイター/Charles Platiau)

2000年以降に社会人になった「ミレニアル世代」と、ベビーブーム世代との経済格差が先進各国で拡大している。世代間格差を放置すると経済や金融市場だけでなく、民主主義にも深刻な影響を及ぼす恐れがある。賢明な政策を講じれば状況を改善できそうだが、改革へのハードルは高い。

若年層の失業率は高止まりし、超金融緩和政策は貯蓄者を罰する一方で高齢の既得権益層が持つ住宅や株式の価値を押し上げ、世代間格差への懸念を煽っている。

18歳から34歳の世代の多くが、親の世代に比べて貧しくなるのは事実かもしれない。ただ、好況時の果実を高齢労働者がもぎとり、若年層にツケを回すという単純な構図で片付けられるものではない。事実はもっと複雑で、過去の経済政策と同様に構造的変化も格差拡大に大きく関係している。

<幅広く所得減>

賃金を例にとろう。マッキンゼー・グローバル・インスティテュートが最近公表した調査結果によると、先進国の世帯の60─75%で、2005年から14年にかけて実質賃金が横ばい、あるいは低下した。1世代前の1990年代半ばから2000年代初頭では、こうした経験を味わった世帯はわずか2%程度だった。

マッキンゼーによると、米国では30歳未満の高卒労働者の所得が、45歳以上の高卒労働者の倍近い率で減少している。高学歴者で見ても、若年層の所得が2002年から12年にかけて6%減少したのに対し、45歳以上は2%の減少にとどまった。

所得の減少は、労働組合加入率の低下やオートメーション化の進展、労働分配率の低下と同時に進行してきた。これらの要因と人口動態の変化は、政策選択の結果というより主に構造変化だ。

だからといって、多くがベビーブーム世代である政治家に非が無いわけではない。年金を不可侵のものとして大判振舞いしてきたことと、資産価格の上昇が世代間格差に拍車を掛けたのだ。例えば英国の国家年金は、支給額が「消費者物価インフレ率」、「2.5%」、「平均賃金上昇率」のうち最も高い数字に連動して毎年増えるようになっている。

ギリシャ、スペイン、イタリアなど南欧諸国では、若年層の失業率が近年40─50%で推移し、「失われた世代」と呼ばれている。上の世代が享受した雇用の権利や年金支給も今は損なわれてしまった。
(出典 REUTERS ロイター

 

経済のグローバル化に疲弊する欧米各国

経済のグローバル化が、ヒト・モノ・カネが国境を越えて自由に行き来する事を可能な社会を作り上げた。そして、今日において経済の中心的主体となっているのが巨大な多国籍資本である。

経済のグローバル化の理想は、国境を越えた自由化を進める事で、企業は事業に関して自由度が広がり、より効率的な生産活動ができ、一般消費者は世界中から安価なモノが買え、みんなが豊かな暮らしができて、そしてそれらが所得の上昇と幸せに繋がるというものだった。

しかし、グローバル化した経済社会の現実は、市場原理により生産地が決定され、価格競争は激化し、巨大な多国籍企業は製造部門の雇用の多くを人件費の安い海外に集中させて膨大な利益を稼ぎ出した。その結果、欧米の中産階級は没落し、貧困層はより貧しくなり、雇用は人件費の安い移民と途上国に奪われて、若年層の雇用機会減少や賃金格差の拡大を招いた。

つまり、グローバル経済の奔流は、確かに企業を成長させ、膨大な利益をもたらしたが、それはそれぞれの国の一般的な庶民に富をもたらしてはおらず、絶望的な貧富の格差を広げてしまったのである。

グローバル経済の中心地であるアメリカでは、1%の富裕層が金融資産の4割を保有していると言われ、低所得者層との格差は解消されるどころか、むしろ年々広がっている。

ブレグジット、トランプ、そしてルペン?

途上国の労働者が搾取されて、一握りの富裕層が富を独占する社会構造を変えない限り、反グローバルの波をせき止める事は困難だ。

大衆の不安と怒りを煽る言動は、確かにいたずらに社会の緊張を招くが、欧米各国の一般大衆がポピュリズムに傾斜する大きな要因である格差社会(グローバル社会)の流れをせき止める事も困難だ。

経済のグローバル化が、絶望的な貧富の格差とエスタブリッシュメント(既存の体制に守られたエリート層)に対する一般大衆の怒りを発生させ、その結果、欧米各国にポピュリズムの嵐が吹き荒れる事になった。

アメリカでは、すでに5年前、市民が金融街のウォールストリート占拠を呼び掛けたデモを行い、格差社会に対する怒りの動きは世界500都市に広がった。世界金融危機では、巨大な金融機関の救済が優先され、その裏側では失業者や貧困者への社会保障は削減された。そして、その後の金融緩和策とグローバル化の加速が、更なる貧富の格差を生み出した。

新興国が「世界の工場」として経済発展を遂げた反面、安い労働力に職を奪われた欧米各国では、製造業の集積地が衰退し、工場や機械がさびついたまま放置され、ラストベルト「さびついた工業地帯」となった。

ルペン氏は特権を持たない一般の人々の声を政治に反映させるべきだと訴え、「フランスの民衆の名のもとに、国内産業を保護するフランス第一主義」を大統領選のスローガンとした。

2016年のブレグジットとトランプ政権誕生、そして、もし2017年、フランスで「ルペン大統領」が誕生すれば、ポピュリズムとポピュリズムとは国境を越えて相互に影響し合い、更に新たなポピュリズムが世界に拡散される事を意味する。これは、目を背けてはいけないリスクである。

激動の時代を生き抜く個人投資家

どの国で、誰が大統領になっても、個人投資家にとって「一番大切なこと」は「生き残る」ことだ。

1900年から2度の世界大戦を経て、時代は馬車から自動車、手紙からインターネット、実体経済から金融経済へと主流の変遷が見られた。

かつては、投資の王道と言えば株式投資だったが、新たにFXやビットコインが登場した。実物資産投資も、王道と言えば不動産投資や美術品投資だが、今、新たに注目されているのがアンティークコイン投資だ。

アンティークコイン投資は、長期で値上がり益を狙うだけではなく、贈与税や相続税の節税対策としても大きな力を発揮する投資だ。

世界の多国籍企業の多くが、国家間の税法の違いを利用して、合法的に納税額を低く抑えている。節税は、課税の公平という理念に疑問を投げ掛ける行為ではあるが、大企業が相応の税金を払わずに節税をしているのならば、どうして一般市民にだけ重い税負担を求められるのだろうか?

自分の資産は自分で防衛しなくてはならない。経済アナリストの森永卓郎氏が書評している『海外富裕層がやっている“究極”の資産防衛 アンティークコイン投資入門/西村直樹・著/幻冬舎/1500円+税』には、資産防衛のノウハウが集積されている。

これから始まる激動の時代、このような書籍から資産防衛の手段を自ら集める事が出来なければ、個人投資家は、自分の資産を運用する事も資産を保全する事も出来ず、搾取されてしまうだろう。


(出典 アンティークコインの販売と鑑定代行|ユニバーサルコイン|

アンティーク・コインが富裕層の人気を集めるもう一つの理由は、相続税対策だ。いまや税務当局は、ほぼすべての財産を捕捉している。著者は、遠回しにしか書いていないのだが、ポケットに入るコインが捕捉しにくいのは事実だろう。

もちろん、こうした富裕層向けの資産は、リーマンショックのようなことが起きれば、値下がりするのだが、中長期でみれば、格差拡大のトレンドは、数百年のスパンで続いているので、値下がりのリスクは小さいと言えるだろう。

妖しい光を放つアンティーク金貨が語るのは、「金持ちはますます金持ちになる」という大原則だ。
(出典 マネーポストWEB |『マネーポスト』

これからは、最も優位性が高い資産運用と資産保全の手段、そして税金対策を個人投資家は自分で探し求め、見極めて行かなければならない。本当に個人投資家の力が試される激動の時代が到来した。

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